不動産投資のキャッシュフローとは?

不動産投資を始めるにあたっていろいろな指南本を読んでみましたが、

「キャッシュフロー」というキーワードが良く出てきます。

まるでそのワードを入れると本の売れ行きが良くなるが如く…

副業として不動産投資を始めた方の多くが影響を受けたと言われる、

ロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さん貧乏父さん』では、

キャッシュフローの重要性を説き、 その後の不動産投資において重要なキーワードとなった感があるようです。

キャピタルゲインをメインにする株式投資などと異なり、バブルがはじけた現在の日本の不動産投資は、 どちらかというとインカムゲインを重視したものが話題の中心になっています。

不動産投資もインカムゲインを重視した投資と考えると、 株式投資よりもはるかに事業性、事業運営の要素が強いということだと思います。

その場合、重要なポイントが「キャッシュフロー」ということになるかと思います。

企業の運営においては「黒字倒産」という言葉がある通り、 仮にある一定期間の利益が順調に推移していても、 資金が枯渇することにより事業運営に行き詰まることがあるということから、 資金の現状把握を将来の予測をしながら、資金を回していくことが重要です。

不動産投資においても倒産するかどうかは別にしても、 『投資の良しあし』を判断する上で、『日々のキャッシュフロー』がマイナスにならないこと、 この点を重視するケースはとても多いです。

特にローンによる資金調達で不動産を購入する投資においては、 日々のキャッシュが回らないケースも多いので、この点を強調している指南本も多いです。

ロバート・キヨサキ氏が読まれるようになって以降、フルローンなどで不動産を購入する、 いわゆる『ハイレバレッジ』の投資が人気でしたが、 日々のキャッシュがプラスであれば、フルローン、更には諸費用すら借入で賄う オーバーローンが組めれば、理論上は、元手がなくても、 永遠にキャッシュが増えて、あっという間に大金持ちです。

そんな投資モデルがもてはやされ、『キャッシュフローがプラス』の物件を手に入れることが、 お金持ちへの近道という、夢の始まりです。 1億円だろうが、2億円だろうが、それを購入するのに『自腹』を切らずに購入できれば、 お金は増える一方です。

現在の銀行の融資姿勢ではオーバーローンなんてとても応じてくれる状況ではないようですが、 そんなことが実現可能な時期もあったようです。

但し、銀行も、 どんな人にも、どんな物件に対してもこのようなローンを組ませてくれるわけではありませんので、 いかにして、銀行から融資を実行してもらえる状況を作るかも、 『キャッシュフローの出る物件を購入すること』とともに、不動産投資のスキルとして重要視されました。

それまで『投資』とは、運用するに足るだけの資金的余裕がある人がやるもの、という意識から、 変化があった時ではないかと思います。

さて、多額にローンを組むということは、ローンの返済額も大きくなるということの裏返しです。

月々の返済額を減らすには、ローンの返済期間をできるだけ長期化させることが一つの方法では ありますが、返済期間を延ばすにも限界があります。

大抵は購入する物件の建物の減価償却の残期間に基づいたある一定の期間が限度となります。

返済額が大きい投資案件で日々のキャッシュフローをプラスにするためには、 購入金額と比較して有利な家賃収入が見込める物件を購入することが重要になります。 そのため、地方の比較的利回りの高い物件が注目されたりもしました。

実際に融資が実行され、最初の物件購入から得たキャッシュを貯めて、次の物件を早期に購入する、 という投資モデルで物件を増やしていったサラリーマン投資家も出現して、 もてはやされたようです。

しかし、キャッシュフローは、日々刻々と変化していきます。

不動産投資、言い換えると不動産賃貸業のキャッシュフローは、 次の様な要素から影響を受けます。

(1)家賃の下落

家賃収入がキャッシュを生む元となりますが、当初の思惑と異なり、下落するということがあります。

もちろん、逆に当初よりも家賃が上がるということもないわけではありませんが、 現在の日本の状況では建物の老朽化とともに下落するのが普通です。

当然ですが、少額の自己資金で次々に不動産を手に入れての不動産投資の場合、 家賃が下落してもキャッシュがプラスであることを維持できる見込みが必要です。

(2)金利の上昇

ローンの返済額はローン返済期間の他に金利がその決定要素となります。

返済が終了するまで借入当初の金利が適用される『固定金利』なら変動要素とはなりませんが、 よりキャッシュが出ることを望み金利の低い『変動金利』を選択すれば、不確定要素となり、 借入時より金利の相場が上昇すれば、返済額が上昇し、キャッシュフローを圧迫することになります。

(3)空室率の上昇

1部屋単位で見た場合、家賃の下落は収入の「減少」で済みますが、 空室になった場合は、いきなり収入が『ゼロになる』点でよりキャッシュフローの悪化に直結します。

通常、キャッシュフローの見込みを検討する場合、どの程度の空室率になるかをあらかじめ見込んで、 計算しますが、その見込み以上に空室率が悪化すれば、キャッシュフローを圧迫していきます。

現在の賃貸市場は二極分化の傾向があるようですから、利回り重視で購入した地方物件は、 苦戦を強いられているようです。

(4)滞納

『収入が無い』という点では空室と同様ですが、空室の場合は家賃を下げて、新しい入居者を確保して、 『収入が無い』状況から『当初見込みより少ないながらも収入がある』状況を作ることはできますが、 滞納の場合はそれも難しくなります。

更に空室の無収入には税金はかかりませんが、『とりっぱぐれ』の滞納家賃には税金もかかります。

無税にするには『貸し倒れ』を証明する必要があり、そんなに簡単ではありません。 そのため、『不良入居者』を掴まないという賃貸管理のノウハウも重要になってきます。

(5)税金

不動産賃貸経営がうまくいっている方が口を揃えて言うのが、税金の問題です。

儲かっていれば、儲かっていたで、税金を多額に払わなくてはならないという問題に直面します。

税金はキャッシュの動きとは無関係ですので、キャッシュフローが変わらない状況で、 税金だけが上昇していけば、結果としてトータルのキャッシュフローは税金の増額分だけ、 悪化することになります。

税金は「所得金額」と「税率」が大きな決定要素ですが、 規模が大きくなれば所得金額が増加します。

累進課税である所得税は単純に所得の増加に比例して増加するわけではありません。

特にサラリーマン投資家の様に家賃収入以外の収入がある方は、 税率が上昇して、思った以上の税負担に計画が狂ってしまうということもあるようです。

大抵は、所得減少要素である、減価償却費と支払利息は年々減少していきます。

減価償却費は建物の耐用年数が長く定額法を採用していれば、 減少するのは耐用年数を過ぎてからですので、すぐに所得増加要因にはなりませんが、 多額の付帯設備を定率法で減価償却するようなケースでは経年ごとに所得増加要因になります。

また、支払利息は年々減少します。

元利均等の返済をしていると流出するキャッシュの金額が変わらなくても、 支払利息部分が減少するので、放っておいても所得は増加するという宿命があります。

ざっとあげてもこんなことがキャッシュフローに影響します。

通常の事業と比べると変動要素は少ない不動産賃貸業ではありますが、 将来どうなるかを予想するという点では、決して簡単なことではないように思われます。

しかも、フルローン、オーバーローンと言った、ハイレバレッジの投資においては、 上振れするのも下振れするのも、振れ幅が大きくなりますので、 一度悪化すると取り戻すのにも馬力を必要とします。

潤沢な手元資金が溜まる前に当初見込みのキャッシュが得られず、 最悪の場合、キャッシュが日々アウト、つまりは手持ちの資金を投入しないと、 返済資金が賄えないような状況になると一気に行き詰ってしまします。

この様なことからキャッシュフローは、その投資が儲かっているかどうかよりも、 切実にその運営に直結することになります。

当たり前ですが、購入当初だけではなく、運用後の状況もシミュレーションした上で、 購入の可否判断をしていることと思います。

先述の通り、不動産賃貸業は変動要素、事業のパラメータは他の事業よりも少ないと思っています。

ただ、裏を返せば満室で希望家賃が取れている状況での収入が収入の最大値であり、 予想外の大爆発みたいなことは起こり得ません。

もちろん、部屋をリニューアルしたり、リフォームしたりして、収入の増加を図るということもできますが、 それも爆発的な増加というよりは、『下落を抑える』という要素の方が強いと思います。 ということは、マイナス要素をどのくらい見込んで、 いかにしてマイナス要素を事前に最小化する施策を打てるかが、不動産賃貸業では重要な気がします。
キャッシュ・フロー計算書は「資金繰り表」とも呼ばれるように、事業経営がどのように推移しているかを記録に残し、確認するうえで重要な役割を果たす種類です。

不動産投資のみならずあらゆる事業で欠かせないものですが、不動産投資の場合はとくに長期的な視野のもとで経営を行っていく必要があるためとくに重要なポイントとなります。

その一方、税理士など専門家が作成するイメージが強く、個人の不動産投資家が作成するにはややハードルが高い面もあります。

なお、このキャッシュ・フロー計算書の作成方法には大きく分けて2つの種類があります。

直接法と間接法

ひとつは直接法。

これはその期間に発生したキャッシュに関わる取引内容をすべて計算・記入する方法です。

詳細な記録を求める事業において広く用いられています。しかし不動産投資で作成されるキャッシュ・フローに関してはもうひとつの方法、間接法が広く導入されています。

この方法は簡単に言えば税引き後の純利益に対して減価償却費を加えて計算するものです。

直接法は資金繰りの正確な記録が出来る優れた方法なのですが、あまり時間と手間がかかりすぎてしまうため、日本では古くから間接法が広く用いられてきたという経緯もあります。

キャッシュ・フローと客観性・透明性が金融機関の心証を良くする。

不動産投資においてキャッシュ・フローが重視される理由としてはその客観性が挙げられます。

経営状況を把握する際のデータでは利益がまず重視されますが、利益の場合、どの程度利益が出ているのかは計算する人の考えや収支の捉え方によって異なってきます。

企業によっては外向きをよくするために過剰に利益を多めに計算するケースも見られます。

それに対してキャッシュ・フローではお金を受け取った時と、自分が支払った時の記録を客観的に記録していくものですから、粉飾やウソを書かないかぎり作成する人の意図や思惑に関係なく正確・厳密な内容となるのです。

個人が不動産投資を行う際にどうしてキャッシュ・フローが重要になるのでしょうか。

企業のように株主に報告するために必要というわけではありません。しかし自分で資金繰りの状況を確認するために役立ちますし、ローンを組んでいる金融機関に対しても役立ちます。

実際金融機関は経営状況を確認する際にはこのキャッシュ・フローを重視することが多いのです。

ローンの組み換えなどを行う際に欠かせないものとなります。

実際のキャッシュ・フローの作成では家賃収入などの収入から事業のためにかかった費用を差し引いた形で作成していきます。

また、借り入れと返済の差額も財務関連のキャッシュフローとして作成することになります。

不動産投資を始める前に基本的な作成方法などを学んでおくとよいでしょう。
不動産投資を始めてから、何かと金回りが良くなってきました。それは、ほぼ全財産の1,000万円をはたいて物件を購入してからまだ半年程度しか経っていないのにも関わらず、また1,000万円以上の資金が貯まっているのに気づいたからです!

まるで、やっとのこと動かすことのできたドデカイ岩が、ものすごい勢いで加速しながら坂道を転がっているような感じです。

さて、この1,000万円の使い道についてですが、@繰上げ返済への道か、A次の不動産購入への道に進むべきか、自分なりにシミュレーションを行って投資戦略をねってみました。

@繰上げ返済への道へ進んだ場合

■繰上げ返済対象:(ローン残高約2,700万円)

■繰り上げ返済方法:毎月のローンの返済額を減らす方法。(ローンの返済期間を短縮する方法もあるが、月々のキャッシュが増えないとモチベーションが上がらないため) ■現在の毎月のローン返済額:約15万円

■1000万円を投入し、毎月のローン返済額を減らした場合の毎月のローン返済額:約9.7万円

■毎月のキャッシュフローの変化:約+5.3万円(年間+63.6万円)

A次の不動産購入への道へ進んだ場合

■不動産購入対象:3,000万円〜10,000万円程度の物件

■目標:毎月のキャッシュフローが+20万円以上(年間+240万円以上)

■返済期間:基本は20年だが、キャッシュフローが+20万にならなければ返済期間を最長25年まで延ばすことも考慮する。

また、この1,000万円を使わずに手元に残した場合と、物件を増やした場合の手元に残るキャッシュのシミュレーションをしてみました。

その結果、物件を増やさなかった場合と、物件を増やした場合のある年後の手元のキャッシュの差があまりないことに気がつきました。

以上の結果、年間+240万円のキャッシュを生むA次の不動産購入への道に進むことにしました。しかも2軒です。これで何もしなくても生活は送れます。

返済はその後に、1つの物件に対して、すべての物件のキャッシュフローで全力返済していくことにします。
木造アパート利回り10%でフルローンを組んでもキャッシュフローがまわらない築10年、3,000万円(土地1500万円+建物1500万円)の、 木造アパートを、仮に諸費用は自己資金でまかなうとして、 物件価格3,000をフルローンで金利2.2%、 15年の元利均等の返済期間で買った場合。

年間どのくらいのキャッシュフローを確保できるのか、 シミュレーションしてみたいと思います。

ちなみに、年間経費として減価償却費は、 7年目まで、139.95万円、8〜14年目で75.6万円 減価償却の計算は、中古物件は法定耐用年数から、 経過した年数を差し引いた年数に、 経過年数の20%に相当する年数を加えた年数が、 中古アパートの減価償却期間です。

1、法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数

  木造住宅22年−10年=12年

2、経過年数10年の20%に相当する年数

  10年×20%=2年

3、ゆえに減価償却期間は12年+2年=14年となります。

その他の経費として、

固定資産税15万円。

火災保険料2.1万円。

管理費は、家賃収入×5%=15万円。

定期清掃費6万円(5000円×12か月)。

修繕費、家賃収入×3%=9万円。

共用電気水道、3万円(2500円×12か月)で 事業所得は税引後利益はプラスになるのですが、 キャッシュフローは、減価償却費と合わせても、 借入金返済額に足りません。

3,000を金利2.2%、の15年の元利均等の返済期間で、

買った場合、毎月の返済額は19万7827円となり、 毎月の家賃収入25万円では、満室でも5万円ほどの余剰金しかなく、 諸費用を支払えば、キャッシュフローは回らず、 サラリーマンの給料から補てんするなどしないと、 返済ができない状態だとわかります。

もっとも、入居率は95%で見ているのですが、 木造アパートは返済期間は15年と短いため、 利回り10%程度の別件では、フルルローンで購入すると、 キャッシュフローは全くで出なく、 返済期間を30年くらいにしないと、 キャッシュフローは回らなくなるのですね。

それでも不動産所得は、2年度以降はプラスになります。
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